鶴田町探鳥記  
2002年1月1日〜1月5日


久しぶりに帰省した故郷でじっくりと鳥見をしてきました。
帰省の目的は、同窓会への出席でありましたが、
もうひとつの目的は、少年時代に出会った野鳥との再会でした。
久しぶりの故郷での鳥見は満足のいくもので、
改めて故郷の自然が豊かであることを
再確認することとなりました。

鶴田町について
 私の故郷は鹿児島県鶴田町です。鹿児島市から北へ約60キロ、車で一時間半のところにあります。周囲を山々に囲まれ、近くには川内川が流れる自然豊かな農林業を中心とする町です。
町にはl、西日本最大級の規模を誇る「鶴田ダム」があり、「へらぶな」の釣り場として全国的に有名です。
 また、野鳥が数多く生息する町でもあります。町の北には、1067メートルの紫尾山がそびえ、その向こうには鶴の飛来地で有名な出水平野が開けています。
 鶴田町はその名から、鶴が飛来しそうな地名で、事実、同級生から新聞の切抜き とともに鶴が本当に鶴田町に飛来したと連絡がありました。やはり、昔はもっと多くの鶴が飛来していたのでしょう。

川内川

再会した野鳥たち
鳥見は、主として実家近くの川内川を
中心に行いました。
確認できた野鳥は、
次のとおりで、25種類でした。
ベテランの鳥見人であれば、あと10種類以上は
確認できたのではないでしょか。
ヤマセミ、カワセミ、カワガラス、キセキレイ、ハクセキレイ、カワウ、アオサギ、ダイサギ、
イソシギ、ハジロカイツブリ
ホウジロ、メジロ、エナガ、ヒヨドリ、キジバト、ジョウビタキ、シロハラ、アオジ、モズ、
ハシブトガラス、ウグイス(声のみ)、
農耕地 タヒバリ、スズメ、カワラヒワ、トビ

 

印象に残った鳥たち

ヤマセミ
ヤマセミ ( 平成14年元旦)

  高台にある実家から200メートル先の川内川を双眼鏡で眺めていたところ、突然、川に飛び込む鳥の姿が飛び込んできました。大きさは鳩ぐらい、白っぽい鳥です。まさか「ヤマセミ」かと思い少々興奮してしましましたが、ヤマセミ特有の頭に冠羽があることから、すぐにヤマセミに間違いないことがわかりました。しばらく観察を続けると、ヤマセミは2羽で鳴き交わしており、番であることがわかりました。

( 1月4日)
 川まで降りてヤマセミを観察することにしました。待つこと30分、「ケッ、ケッ」と近づいて来る鳥の声がする。振り返るとヤマセミです。はじめて聞くヤマセミの声。うれしくなりました。ヤマセミが、50メートル先の川斜面の木に止まったので、写真をとることにしました。双眼鏡の接岸レンズに使い捨てカメラのレンズをあて何枚か撮ってみました。双眼鏡では、なかり大きくクリアーに見えましたが、双眼鏡を通しての撮影がうまくいったか心配になりました。
 予想はしていたものの、プリントされた写真を見てがっかりしました。やはり、双眼鏡を利用しての写真撮影には無理がありました。それでも、運良く1枚だけヤマセミの姿を辛うじて捕らえていました。 写真のヤマセミは、小さく米粒大ですが、明らかにヤマセミです。今度はデジスコでもっとクリアーに撮りたい。
ヤマセミ
ヤマセミは、とにか良く鳴きます。木に止まっているとき、飛んでいるとき、いつでも鳴いています。だから直ぐに居場所を探せるのですが、近づくと直ぐに逃げてしまうような用心深さもありました。
 ヤマセミは、ずっとに以前から川内川でいたと思われますが、あれほど、川は水浴びをしたり、魚釣りをしたり庭同然にすごした場所なのに、私の少年時代の記憶にはヤマセミの記憶はありません。
カワガラス
(平成14年1月2日)
  はじめてカワガラスに出会ったのは、平成12年6月である。日光の戦場ヶ原にある川沿いを高徳牧場に向かって歩いていたときです。川の水面すれすれにあっという間に飛び去っていった黒い物体がありました。ベテランバーダーが一緒で教えてもらったので、辛うじて「ビィ ビーィ」という鳴き声とともにカワガラスを確認することができました。一人だったらたぶん確認できなかったでしょう。カワガラス
 カワガラスとはこんな出会いでしたが、その後、御無沙汰であまり縁のない鳥でありましたが、故郷の川で出会うとは、夢にも思っていませんでした。ヤマセミに続く驚きです。

 実家近くの高台からヤマセミがいた200メートル先の川面をしばらく見ていた時に、流れの中にある岩の上で腰を振り振り、流れに頭を突っ込んでいる鳥を発見しました。鳩よりは少し小さく黒い鳥です。
 10倍の双眼鏡では、小さ過ぎてカワガラスと即断できませんでしたが、しばらくして水面すれすれに一直線に飛び去ったその光景から、日光の渓流で見たカワガラスの光景が浮かびました。そうです日光で見た時のカワガラスの飛び方と同じです。これで、カワガラスであるとわかりました。
ハジロカイツブリ
(平成14年1月4日)
 今日もヤマセミを見ようとまた川にやってきました。水面を見ると鳥が5、6羽浮かんでいます。そのうちに数羽が潜水をはじめました。カイツブリより大きく、白っぽい。図鑑で調べてみるとハジロカイツブリとでている。はじめて見る鳥です。そんなに珍しい鳥ではないと思いましたが、初めて出会う鳥を見るとやはりうれしいですね。
 しばらく観察すると、よく潜水する。潜水時間は約15秒。浮上したかと思うと直ぐにまた潜水します。一日の半分は潜水しているのではないかと思うほどよく潜水する鳥でした。川の透明度が良かったので、潜水の泳ぎが良く見えました。これが鳥かと思うほど、魚雷のような早い泳ぎでした。

 ●イソシギ(平成14年1月4日確認)
 イソシギは、茨城県龍ヶ崎市周辺の開けた水のある休耕田で、主として夏場によく見かける鳥です。そのイメージが強かったせいか、川内川で、はじめて見たときにはまさかイソシギとは思いませんでした。
 イソシギは1羽で、ハクセキレイの直ぐ近くで、仲良く餌をついばんでいました。はじめはセキレイの仲間かと思いましたが、よく観察すると胸に白い食い込みがあり、イソシギであることがわかりました。
 イソシギは、ハクセキレイよりちょっと太めの鳥で、セキレイのように尾羽を常に上下しています。
 証拠写真と思い、ヤマセミの撮影と同様に双眼鏡&使い捨てカメラで撮影を試みました。
辛うじて1枚だけが、イソシギと識別できる写真(右)が撮影できました。

母親のバードウォッチング
 70歳をすぎた母親(田舎ではかあちゃんと呼んでいます。)と野鳥の話をしてみました。
母親は、すずめとカラスぐらいしかわからないというが、ツグミとアカショウビンの
ことなどちゃんと知っていました。それなりにバードウォッチングしていました?
● ツグミ
 茨城県龍ヶ崎市周辺では、冬場、田んぼでよくツグミを見かけますが、故郷では1羽も見かけませんでした。
母親に図鑑のツグミを見せながら話をしたところ、ツグミは、初冬、畑に麦撒きをする頃渡って来て、土をひっくり返しは種を食べているが、この時期(正月)にはもういないねとのことでした。ツグミは、どこに行ったのでしょか。
● アカショウビン
 アカショウビンといえば、少年時代に池の上の電線に止まっていた赤い金魚色をした鳥を思い出します。
アカショウビンの写真を母親に見せたところ、「これはキンギョドイ(金魚鳥)だよ。昔、納屋の後ろの土手に巣を作っていて、よく、キョロロ キョロロと鳴いていたよ。」と言う返事が返ってきました。そういえば、金魚のような赤い色をした鳥だから、田舎ではそう呼んでいたことを、懐かしく思い出しました。
 
実家の納屋の後ろで営巣していたことは、どうしても思い出せませんが、そういえば、土手に穴がいくつか開いていたことを思い出しました。
昔は、こんなに人家の近くで生息していたアカショウビンですが、今は何処に行ったのでしょか。
 アカショウビンは、またどこかで会いたい鳥のひとつです。
そして、カービングしてみたい鳥です。

おまけ
鶴探鳥記(出水市荒崎)工事中