硫黄島の野鳥


2001年3月硫黄島において
太平洋戦争時、戦死した
日米双方の兵士を慰霊する
「日米合同慰霊祭」
が開催され、
これに参加する機会を得ました。
島に滞在した時間は、僅か8時間でしたが、
少しだけバードウォッチングを
楽しんで来ました。
この島にいる鳥達を見ていると平和そのもので、
半世紀前に、ここで日米間による壮絶な
戦闘があったとは、想像もつきません。
グアムからのチャーター便コンチネンタル機で硫黄島へ
硫黄島について

磯の向こうに見えるのが
硫黄島の自衛隊基地です
 硫黄島は、東京から南に1、200キロ、
ちょうど東京ーグアム間の中間に位置します。

 太平洋戦争末期、硫黄島では、
日米の壮絶な戦いがあり、
双方合わせて約4万人の戦死者をだしています。

 島民は、日米の戦闘が始まる前に疎開したとのことで、
戦後になってからも島民は帰島していないようです。

現在の島に住んでいるのは、
単身赴任の海上自衛隊員と航空自衛隊員、
それに自衛隊基地の工事関係者のみで、
その数合わせて500人足らずとのことでした。

 
 右の写真は、硫黄島南西部に位置する「すり鉢山」です。
米海軍の激しい艦砲射撃を受け、
山の形をどどめていないことから、
戦闘がいかに凄まじいものであったか物語っています。

米軍は、このすり鉢山左下に広がる砂浜から
上陸しています。

すり鉢山
出会えた鳥たち
 硫黄島では時間の制約もあり、多くの鳥たちと出会うことはできませんでしたが、
イソヒヨドリ、ムナグロ、ヒヨドリ、メジロと会うことができました。
ヒヨドリは、本土のものと比べると色が黒かったなあ。南方だから日焼けしてる?
イソヒヨドリ
基地周辺に点在する施設の周りで、
とても良い囀りを聞かしてくれました。
人が危害を加えないのを知っているのか、
基地施設から離れようとせず、
人との距離が近く感じられました。

基地施設の出窓の上に止まっているオス



電柱に張っているワイヤーに止まっているオス


メスのイソヒヨドリ


ムナグロ
最初に、この鳥と見たときは、これが
ムナグロであるとは、わかりませんでした。

バードウォッチャービギナーにとって、
思い浮かぶは、
5月の連休に水田にいる胸が黒いムナグロのみ。

ムナグロと判ったのは、
帰宅して図鑑を調べた後で、
鳥仲間にも確認してもらいました。

ムナグロは、小笠原諸島に沿って本土まで
北上するようです。


基地周辺の草地で
集団でいるところをよく見かけました。
草地では何を探して食べているのかな。

 おまけ
 自衛隊さんが連れてきたのか、
それとも元島民が飼っていた猫の末裔なのか、
基地施設の近で見かけた猫2匹。
 頭を撫でようとしたところ、おもいっきり引掻かれた。

島への侵入者に対し威嚇するトラ猫
それにしてもいい顔をしている。